TOEIC®650コース担当の今井です。
日々生徒さんが仕事に多忙な中を、時には出張先から荷物を持ったまま、あるいは炎天下の運動会の予行演習の後、エナジードリンク片手に授業に駆けつけられるのを目にするたび、皆さんのTOEIC®スコアを何としても目標まで到達させねばと強く感じます。
他の言語も同じですが、英語学習は挫折が付き物の過程です。
特に日本語ネイティブが英語を仕事で使えるくらいに習得するには述べ2200時間が必要と言われています。
果てしなく思えるこの道程を思えば、つい目の前に「バベルの塔」が浮かんできます。
- ●バベルの塔って何?
昔、美術の図録でバベルの塔の絵を見て以来、見るたびその緻密な描き込みに圧倒されています。
様々な画家が神話に基づいたこのテーマで描いていますが、このバベルの塔は旧約聖書から人々の傲慢さを戒める教訓を表すため書かれたと言われています。
かつて、煉瓦と漆喰だけで建物を建てていた人間は新しい手法を手にし、「天まで伸びる建物を作ろう」と当時多くの人知を駆使して最も高い塔を建てます。
そうした人間の傲慢さは神の怒りに触れ、神は塔を破壊し人々の共通言語を奪ってしまいました。その時から人間は共通言語を失い、異なる言語を話すことになり、互いの意思疎通に苦しむようになりました。
- ●語学学習者にとってのバベルの塔
バベルの塔の話はとても道徳的、教訓的な話ですが英語を学ぶものにとってこれは常に経験する苦しみとも言えます。
英会話にしろ、TOEICでも社会人の生徒さんは何とか英語を話そう、スコアを伸ばそうと懸命になっています。
特に今回、TOEIC®補償制度に登録された生徒さんは日々与えられた学習課題をひたむきにこなしてあります。
成果に向かって頑張っている人達を心から応援する毎日です。
2017年4月からの東京都立美術館でペーテル・ブリューゲルのバベルの塔の展覧会開催にあたり、所蔵者であるオランダの美術館館長は「絵の見方はそれぞれで、ぜひ自分の見方で見てください」と言っています。
私のバベルの塔の見方はこうです。
「人が何かを成し遂げようとする時、日々の積み上げが確固たる土台の高い塔になっていく。ただし途中で手を抜けば、バベルの塔のように壊れ更に時間がかかると。」